「日本で使っていた化粧水が合わなくなった」「硬水のせいか、顔がカサカサする」「ニキビが急に増えた」
カナダ在住の日本人から、こうした肌トラブルの悩みは本当によく聞きます。
カナダは日本と比べて空気の乾燥度も水質もまったく異なり、日本式のスキンケアがそのまま通用しないケースが少なくありません。
さらに、カナダの医療システムでは皮膚科の専門医にすぐかかれないため、肌トラブルを放置してしまう方も多いのが現状です。
この記事では、カナダで肌荒れ・乾燥・ニキビ・シミに悩む日本人の方に向けて、現地の薬局で買える市販薬・スキンケア製品から、皮膚科の受診方法、日本の処方薬を海外で続ける方法まで、判断に必要な情報を網羅的にまとめました。
カナダで日本人の肌が荒れる3つの原因
カナダに来た日本人の多くが経験する肌トラブル。その原因は主に3つあります。
日本とカナダの環境の違いを理解することが、正しいスキンケアの第一歩です。
硬水による肌バリアの低下
カナダの多くの地域では硬水(ハードウォーター)が使われています。
硬水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれており、これが肌の皮脂膜を奪い、肌バリアの低下を引き起こします。
日本の水道水は軟水が中心のため、カナダに来て急にシャワー後の「つっぱり感」や「ヒリヒリ感」を感じる方が多いのはこのためです。
特にトロントやカルガリーなどの内陸部は硬水の度合いが高い傾向にあります。
極度の乾燥と寒暖差
カナダの冬は気温がマイナス20℃以下になることも珍しくなく、空気中の湿度は20%以下まで下がることがあります。
さらに室内は暖房で乾燥が進むため、肌は屋外の寒さと室内の乾燥という二重のダメージを受けます。
夏は一転して紫外線が強く、湿度も上がるため皮脂分泌が増え、ニキビや吹き出物が出やすくなります。
この寒暖差・湿度差に日本人の肌が適応しきれず、季節の変わり目に肌荒れが悪化するケースが非常に多いです。
スキンケア習慣の違い(化粧水=トナー問題)
日本のスキンケアでは「化粧水」は保湿が主な目的ですが、カナダで一般的な「Toner(トナー)」は拭き取り・角質ケアが中心。
つまり、カナダの薬局で「化粧水」を探しても、日本のような保湿用化粧水はほとんど見つかりません。
カナダの一般的なスキンケアステップは以下の通りです。
【洗顔料・クレンジング】


カナダでは日本のような泡立ちのよいオイルクレンジングは主流ではありません。ミセラーウォーターやクリーム洗顔が定番で、硬水環境でも肌に負担をかけにくいのが特徴です。
- ミセラーウォーター(Bioderma等)はふき取りタイプで硬水の影響を受けにくい
- CeraVeのCream-to-Foam Cleanserはメイクも落とせる一石二鳥タイプ
- スクラブ入り洗顔料は乾燥肌・敏感肌の方には刺激が強すぎるため避けること
| 製品名 | 有効成分 | 価格帯(CAD) | 日本での類似薬 |
|---|---|---|---|
| CeraVe Hydrating Cream-to-Foam Cleanser(236ml) | セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸系 | CAD $18〜22(約2,000〜2,400円) | キュレル 泡洗顔料 |
| Bioderma Sensibio H2O(500ml) | キュウリ果実エキス、マンニトール | CAD $25〜32(約2,750〜3,500円) | ビオデルマ サンシビオH2O |
日本でファンケルやDHCのオイルクレンジングを使っていた方は、The Body Shopのカモミールクレンジングオイル(CAD $28前後)が使用感が近いです。カナダの薬局で買えるのでSephoraやThe Body Shop店舗をチェックしましょう。
カナダで買えるニキビ・吹き出物ケア製品
カナダに移住してからニキビが急に増えた──という声もよく聞きます。環境の変化、食生活の変化、ストレス、硬水の影響などが複合的に関わっています。
ここでは、カナダの薬局で購入できるニキビケア製品と、日本との治療の違いを解説します。
【ニキビ治療薬(OTC・処方薬)】

カナダでのニキビ治療の第一選択肢はBenzoyl Peroxide(過酸化ベンゾイル=BPO)です。日本では「ベピオゲル」として処方薬ですが、カナダではOTC(市販薬)として薬局で購入できます。
- BPOはアクネ菌を殺菌し、毛穴の詰まりを改善する作用がある
- 濃度2.5%〜10%の製品があり、初めは低濃度から始めるのが安全
- BPOはタオルや枕カバーを漂白する作用があるため、白い寝具の使用を推奨。また、初回使用前に必ずパッチテストを行うこと
| 製品名 | 有効成分 | 価格帯(CAD) | 日本での類似薬 |
|---|---|---|---|
| CeraVe Acne Foaming Cleanser(150ml) | BPO 4%、セラミド、ヒアルロン酸 | CAD $18〜24(約2,000〜2,600円) | ベピオゲル(処方薬) |
| Neutrogena Rapid Clear Stubborn Acne(28g) | BPO 10% | CAD $12〜16(約1,300〜1,750円) | ベピオゲル(処方薬) |
| Clean & Clear Persa-Gel 10(28g) | BPO 10% | CAD $10〜14(約1,100〜1,540円) | ベピオゲル(処方薬) |
日本では「ベピオゲル」として処方箋がないと買えないBPOが、カナダでは薬局で普通に買えるのが大きな違いです。ただし濃度が10%の製品は刺激が強いため、まずは2.5〜4%から試しましょう。
Differin Gel(アダパレン)── カナダでは処方箋が必要
日本では「ディフェリンゲル」として広く使われているアダパレン(レチノイド系外用薬)は、アメリカではOTC販売されていますが、カナダでは処方箋が必要です。
ウォークインクリニックで医師に処方してもらう必要があります。
日本との違い:イソトレチノイン(アキュテイン)が標準治療
カナダのニキビ治療で最も大きな日本との違いは、重症ニキビに対してイソトレチノイン(Accutane/Epuris)が標準治療として使われていることです。
イソトレチノインはビタミンA誘導体の内服薬で、20週間の服用で3〜5年間ニキビができにくい状態を維持できるとされています。
日本では未承認の薬剤で保険適用外ですが、カナダでは皮膚科医がごく一般的に処方しています。ただし催奇形性があるため、女性は服用中の避妊が必須です。
トラネキサム酸・ヒルドイドはカナダでは入手困難
日本の美容皮膚科で広く処方されているトラネキサム酸(トランサミン)やヒルドイド(ヘパリン類似物質)は、カナダでは以下の理由から簡単に入手できません。
カナダで日本語対応可能なクリニック4選
カナダで肌トラブルが悪化した場合、対面での診察が必要になることもあります。ここではバンクーバーとトロントで日本語対応が可能なクリニックを紹介します。
バンクーバー|シティスクエアメディカル(City Square Medical)

| クリニック名 | シティスクエアメディカル City Square Medical |
|---|---|
| 住所 | 307-550 West Broadway, Vancouver, BC V5Z 0E9 |
| 診療時間 | 月〜金:10:00 AM – 5:00 PM / 土:12:00 PM – 4:00 PM ※変更される場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。 |
| 対応診療科 | 一般内科、皮膚科(専門医紹介)、メンタルヘルス、栄養管理 |
| ポイント | TransMed(トランスメッド)の日本語医療通訳者が常勤。日本語での予約・受付・診察通訳が可能。海外旅行保険のキャッシュレス対応あり。 |
| 公式サイト | https://transmedcanada.com/area/vancouver/ |
Broadway-City Hall駅から徒歩1分のアクセスの良さが魅力。TransMedの日本語医療通訳者が常駐しており、肌トラブルの症状を日本語で詳しく伝えることができます。海外旅行保険に加入している方はキャッシュレスでの受診も可能です。
バンクーバー|Dr. Peter Le Voiクリニック

| クリニック名 | Dr. Peter Le Voiクリニック Dr. Peter Le Voi Clinic |
|---|---|
| 住所 | バンクーバー市内(予約時に案内あり) |
| 診療時間 | 予約制(公式サイトより予約) ※変更される場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。 |
| 対応診療科 | 一般内科(家庭医)、処方箋発行、専門医紹介、検査手配 |
| ポイント | 日本語対応可能な医師。名古屋大学への留学経験があり日本語を話す。BC州MSP加入者は無料で受診可能。Zoomによるオンライン診察にも対応。 |
| 公式サイト | https://drpeterlevoi.com/ |
イギリス出身で名古屋大学に留学経験のあるDr. Le Voiは日本語が堪能。
ファミリードクターとして皮膚トラブルの初期診療から専門医への紹介まで対応しており、BC州とON州ではZoomでのオンライン診察も可能です。MSP加入者は無料で受診できます。
バンクーバー|ベテルメッドクリニック(Bethelmed Clinic)

| クリニック名 | ベテルメッドクリニック Bethelmed Clinic |
|---|---|
| 住所 | オンライン診療(BC州内対応) |
| 診療時間 | 予約制(公式サイトより予約) ※変更される場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。 |
| 対応診療科 | 一般内科(家庭医療全般)、処方箋発行、専門医紹介 |
| ポイント | 日本とカナダ(BC州)の医師免許を持つ日本人ドクターがオンラインで診療。MSP加入者は無料。バンクーバー、オカナガン、BC州全域から受診可能。 |
| 公式サイト | https://bethelmed.ca/ |
日本とBC州の両方の医師免許を持つ日本人ドクターによる完全オンライン診療クリニックです。
電話またはビデオで診察が受けられるため、自宅からでも気軽に受診できます。
MSP加入者は無料で受診可能。必要に応じて処方箋の発行や専門医への紹介も対応しています。
トロント|RAZI Pharmacy & Clinic(TransMed提携)

| クリニック名 | RAZI Pharmacy & Clinic(TransMed提携) RAZI Pharmacy & Clinic |
|---|---|
| 住所 | 212 Eglinton Ave E, Toronto, ON M4P 0A3 |
| 診療時間 | 月〜金:10:00 AM – 5:00 PM ※変更される場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。 |
| 対応診療科 | 一般内科、皮膚科(専門医紹介)、各種検査 |
| ポイント | TransMedの日本語医療通訳コーディネーターが予約から受診までサポート。トロント大学医学部卒の経験豊富な医師が在籍。海外旅行保険のキャッシュレス対応可。 |
| 公式サイト | https://transmedcanada.com/area/toronto/ |
トロントでTransMedの日本語医療通訳サービスが受けられる提携クリニックです。
トロント大学医学部卒の医師が在籍し、日本人患者の診療に長年携わっています。
肌トラブルの相談から専門医への紹介、保険請求のサポートまでワンストップで対応してもらえるのが心強いポイントです。
まとめ|カナダでの肌トラブルを乗り越えるために
カナダでの肌トラブルに対処するために、押さえておきたいポイントを整理します。
① カナダの肌荒れは「硬水」「乾燥」「スキンケア文化の違い」が主な原因
まずは日本式のスキンケアをカナダの環境に合わせて見直しましょう。保湿は「クリームタイプ」を基本に。
② 市販薬で対処できる範囲を知る
CeraVeやAveenoなどの低刺激保湿剤、BPO(ベンゾイルペロキサイド)のニキビ治療薬はカナダの薬局で手軽に購入できます。
③ 2週間以上改善しない場合は受診する
市販薬で治らない場合は自己判断を続けず、ウォークインクリニックを受診しましょう。
④ 日本の美容内服薬(トラネキサム酸・ヒルドイド等)はカナダでは入手困難
カナダには美容処方の文化がないため、日本のオンライン診療サービスを活用する方法があります。
⑤ 日本語で相談できる環境を確保する
バンクーバーやトロントには日本語対応クリニックがあります。また、御用聞きドクターのような日本語オンライン診療を活用すれば、カナダ全土どこからでも日本人医師に相談でき、日本の処方薬を自宅に届けてもらうことも可能です。
肌のトラブルは見た目だけの問題ではなく、QOL(生活の質)に大きく影響します。
正しい判断材料を持って、カナダでの生活を快適に過ごしてください。
