シンガポールへの渡航や転勤を控えている方から、「日本の薬は持ち込めるの?」「禁止されている薬はある?」「常用薬の申請方法は?」といった疑問が多く寄せられます。
シンガポールは薬物規制が非常に厳しく、日本では市販されている薬でも持ち込み禁止・制限の対象となるものがあります。こうした不安に備えて、日本人医師にLINEで相談できる御用聞きドクターでは、薬の持ち込みに関する相談や、シンガポールへの処方薬配送サービスを提供しています。
※本記事は医師の確認・監修のもと作成しています

おうえケアとわクリニック 麻植 医師
シンガポールは薬物規制が非常に厳格です。日本では市販されている薬でも、持ち込みが禁止・制限されているものがあります。
渡航前に必ずHSA(Health Sciences Authority)の規制対象かどうかを確認し、必要な場合は事前申請を済ませておきましょう。英文の診断書・処方箋の準備も忘れずに。
目次
シンガポールの薬物規制と持ち込みルール
シンガポールは薬物に関する法律が世界でも屈指の厳しさで知られています。違反した場合は高額な罰金や入国拒否、最悪の場合は実刑となるリスクもあるため、渡航前の準備が欠かせません。
シンガポールの薬物規制の特徴
シンガポールでは「Misuse of Drugs Act(薬物乱用法)」に基づき、特定の成分を含む薬は厳しく管理されています。日本では市販薬として手軽に買えるものでも、シンガポールでは「規制薬物」に分類される場合があります。
主な規制ポイントは以下のとおりです。
- コデイン含有薬(一部の咳止め・鎮痛剤):医師の処方箋と申請が必要
- プソイドエフェドリン含有薬(一部の風邪薬・鼻炎薬):持ち込み量に制限あり
- ベンゾジアゼピン系(睡眠薬・抗不安薬):医師の英文処方箋が必須
- メチルフェニデート(ADHD治療薬コンサータ等):事前申請が必要
持ち込みが完全に禁止されている薬
以下の成分を含む薬は、どのような理由があっても持ち込み不可です。
- ガムオピウム・モルヒネ系:日本の一部強力鎮痛剤に含有
- 大麻由来成分(CBD含む):日本で合法でもシンガポールでは禁止
- 覚醒剤成分:メタンフェタミン等
※最新の規制リストはシンガポール保健科学庁(HSA)の公式サイトで確認してください。
日本からシンガポールへ持ち込める薬・持ち込めない薬一覧
日本の家庭でよく使われる薬について、シンガポールへの持ち込み可否を一覧にまとめました。渡航前のチェックリストとしてご活用ください。
市販薬(OTC)の持ち込み可否
| 薬の種類 | 代表的な製品名 | 持ち込み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 総合風邪薬 | パブロンゴールドA | △ 要注意 | ジヒドロコデイン含有のため要申請 |
| 解熱鎮痛剤 | ロキソニンS・バファリン | ○ OK | 3ヶ月分以内であれば申請不要 |
| 胃腸薬 | 太田胃散・ガスター10 | ○ OK | 3ヶ月分以内で問題なし |
| 花粉症・アレルギー薬 | アレグラ・クラリチン | ○ OK | 3ヶ月分以内で問題なし |
| 鼻炎薬 | パブロン鼻炎カプセルS | △ 要注意 | プソイドエフェドリン含有、量に制限 |
| 咳止め | メジコン・ブロン液 | △ 要注意 | コデイン含有製品は要申請 |
| 目薬 | サンテFX・ロートV | ○ OK | 特に制限なし |
| 外用薬・湿布 | サロンパス・バンテリン | ○ OK | 特に制限なし |
処方薬の持ち込み可否
| 薬の種類 | 代表的な薬 | 持ち込み | 必要な手続き |
|---|---|---|---|
| 睡眠薬 | マイスリー・デパス | △ 要申請 | 英文処方箋 + HSA事前申請 |
| 抗不安薬 | ソラナックス・ワイパックス | △ 要申請 | 英文処方箋 + HSA事前申請 |
| ADHD治療薬 | コンサータ・ストラテラ | △ 要申請 | 英文処方箋 + HSA事前申請 |
| 鎮痛剤(強め) | トラマール | △ 要申請 | 英文処方箋 + HSA事前申請 |
| 低用量ピル | トリキュラー・マーベロン | ○ OK | 英文処方箋があると安心(3ヶ月分以内) |
| 降圧剤・糖尿病薬 | アムロジピン・メトホルミン等 | ○ OK | 英文処方箋があると安心(3ヶ月分以内) |
※上記は一般的な目安です。成分によって規制が異なるため、渡航前に必ずHSA(Health Sciences Authority)の最新リストを確認してください。
HSAへの事前申請方法【ステップ解説】
規制対象の薬をシンガポールに持ち込む場合は、渡航前にHSA(保健科学庁)へオンライン申請を行う必要があります。申請から承認までの流れを解説します。
申請に必要な書類
- 英文の医師処方箋:薬の一般名(Generic Name)、用量、処方期間を明記
- 英文の診断書:疾患名と治療の必要性を記載
- パスポートのコピー
- 薬の写真:パッケージと錠剤の両方
申請手順
- HSA公式サイトにアクセスし、「Bring Personal Medications into Singapore」のページを開く
- オンライン申請フォームに必要事項を入力(英語)
- 上記の書類をPDF形式でアップロード
- 申請料(SGD 20程度)をクレジットカードで支払い
- 承認書(Approval Letter)がメールで届くまで約10営業日待つ
重要なポイント:
- 申請は渡航の最低2〜3週間前に行うことを推奨
- 承認書は印刷して薬と一緒に携帯すること
- 持ち込み量は原則最大3ヶ月分まで
- 承認なしで規制薬を持ち込むと没収・罰金の対象
よくあるシンガポールへの薬の持ち込みQ&A
シンガポールへの薬の持ち込みについて、日本人からよく寄せられる質問をまとめました。
質問と回答一覧
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 花粉症の薬は持ち込める? | 一般的な抗ヒスタミン薬(アレグラ・クラリチンなど)は3ヶ月分以内であれば持ち込み可能です。 |
| 漢方薬は持ち込める? | 一般的な漢方薬は問題ありません。ただし動物由来成分(麝香・熊胆など)を含むものは規制対象の場合があります。 |
| ロキソニンは大丈夫? | ロキソプロフェンはSGでは処方箋医薬品ですが、個人使用量であれば持ち込み可能。処方箋のコピーを持参推奨。 |
| ピルの持ち込みは? | 低用量ピルは処方箋のコピーを持参すれば3ヶ月分まで持ち込み可能です。 |
| コンサータ・ストラテラは? | ADHD治療薬は規制薬物に該当。HSAへの事前申請が必須です。英文の処方箋・診断書も必要。 |
| 持ち込み量の上限は? | 原則3ヶ月分以内。それを超える場合はHSAへの事前申請が必要です。 |
不明な点がある場合はHSA(Health Sciences Authority)のウェブサイトで最新情報を確認するか、シンガポール大使館に問い合わせることをおすすめします。
シンガポール・チャンギ空港での薬の持ち込み手続きと注意点
シンガポール・チャンギ空港に到着したら、薬の持ち込みに関していくつかの注意点があります。スムーズに入国するためのポイントを押さえておきましょう。
到着時の対応
- 税関申告書:薬を持っている場合は正直に申告する
- レッドチャネル:規制薬物を持っている場合はレッドチャネル(申告あり)を通る
- 承認書の提示:HSAの承認書を求められたら速やかに提示
- 薬は元のパッケージのまま:ジップロックなどに移し替えず、元の箱・ラベル付きで持ち込む
手荷物での携帯を推奨
薬は必ず機内手荷物に入れて携帯してください。預け荷物に入れると、ロストバゲージの際に薬が手元になくなるリスクがあります。また、液体の薬は100ml以下の容器に入れ、透明な袋に入れる必要があります。
よくあるトラブルと対処法
| トラブル | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 税関で止められた | 申請なしで規制薬を持ち込んだ | 英文処方箋を提示し、事情を説明。薬が没収される可能性あり |
| 薬を没収された | 禁止薬物に該当 | 現地の医師に相談し代替薬を処方してもらう |
| 薬が足りなくなった | 滞在が予定より延びた | 日本語対応クリニックで処方してもらう or オンライン診療で相談 |
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まとめ
シンガポールは薬物規制が厳しく、日本の市販薬・処方薬でも持ち込みが制限・禁止されている成分があります。安心して渡航するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 渡航前に自分の薬の成分をHSAの規制リストで確認
- 規制薬物は2〜3週間前にHSAへオンライン申請
- 英文の処方箋と承認書を印刷して携帯
- 薬は元のパッケージのまま機内手荷物に入れる
- 現地で薬が必要になったら日本語対応クリニックや御用聞きドクターに相談
事前準備をしっかり行えば、シンガポールでの生活を健康的に楽しむことができます。不安な点があれば、渡航前に御用聞きドクターのオンライン相談もぜひご活用ください。

