オーストラリアに住む日本人にとって、糖尿病の治療を継続することは大きな課題の一つです。
「日本で飲んでいたメトグルコやジャヌビアは、オーストラリアで手に入る?」
「GPに行けば処方してもらえる?費用は?」
「インスリンや血糖測定器はどこで入手する?」──こうした不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
オーストラリアではPBS(医薬品給付制度)により糖尿病薬の自己負担が大幅に軽減される仕組みがありますが、Medicare未加入の留学生やワーホリの方は全額自己負担になるケースもあります。
さらに、GLP-1受容体作動薬(オゼンピックなど)のPBS処方には制限条件があるなど日本とは異なるルールが存在します。
この記事では、オーストラリアで使われている糖尿病治療薬の種類、日本の薬との対応関係、費用の仕組み、血糖自己管理の方法、日本語対応クリニック情報までを網羅的に解説します。
目次
オーストラリアで糖尿病治療を続ける際に知っておくべきこと
オーストラリアで糖尿病の治療を続けるためには、日本と異なる医療制度を理解しておく必要があります。
日本とオーストラリアの医療システムの違い──まずGPを受診する
日本では糖尿病と診断されると糖尿病内科や内分泌内科を直接受診できます。
しかし、オーストラリアではまずGP(General Practitioner=一般開業医)を受診するのが基本ルールです。
GPが糖尿病の管理・処方を行い、必要に応じて専門医(内分泌科医=Endocrinologist)への紹介状を発行する仕組みになっており、日本のように最初から専門医を受診することは原則できません。
糖尿病の定期管理(血液検査のオーダー、処方箋の発行、生活指導)は基本的にGPが担当するため、信頼できるGPを見つけることが第一歩です。
Medicareがない日本人(留学生・ワーホリ・駐在員)の負担
オーストラリアの公的医療保険Medicareに加入していれば、GP受診はBulk Billing(自己負担ゼロ)の対象になる場合があり、処方薬もPBS(医薬品給付制度)で補助されます。
しかし、留学生やワーホリビザの方はMedicareに加入できません。
この場合、以下の点に注意が必要です。
・GP受診費用は全額自費(約AUD 70〜100 / 回)
・処方薬にPBS補助が適用されず、薬代が高額になる可能性がある
・NDSS(国立糖尿病サービススキーム)への登録にはMedicareまたはDVAカードが原則必要
駐在員の方は企業が加入する民間医療保険でカバーされるケースが多いですが、保険の内容によって自己負担が異なるため、事前確認が重要です。
オーストラリアで使われている糖尿病治療薬の種類
オーストラリアで処方される2型糖尿病の治療薬は日本と同様に複数のクラスがあります。
それぞれの特徴と豪州での取り扱いを解説します。
メトホルミン(Metformin)──第一選択薬は日本と同じ
日本でもオーストラリアでも、2型糖尿病の第一選択薬はメトホルミンです。
豪州ではDiabexやGlucophageなどの製品名で販売されています。日本のメトグルコやグリコランと同じ有効成分です。
PBSに収載されており、Medicare保有者であれば1処方あたり最大AUD 25(2026年時点)で入手できます。6
0日処方にも対応しており、安定した患者さんは2ヶ月分を一度に処方してもらえます。
SU薬(スルホニルウレア)──グリクラジドなど
メトホルミンに追加される薬として、SU薬(スルホニルウレア)もよく使われます。
豪州で最も一般的なSU薬はGliclazide(グリクラジド)で製品名はDiamicron MRなどです。日本のグリミクロンと同一成分です。
PBSに収載されており費用は比較的安価ですが、低血糖のリスクがあるため食事の管理が重要です。
DPP-4阻害薬──ジャヌビア・エクアなどの豪州での扱い
日本で非常に多く処方されているDPP-4阻害薬は、オーストラリアでもPBSに収載されています。
日本の糖尿病薬との対応表|豪州で同じ薬は手に入る?
日本でよく処方される糖尿病治療薬が、オーストラリアで入手できるかどうかを一覧表にまとめました。
日本でよく処方される薬 → 豪州の対応製品一覧
| クリニック名 | タウンホールクリニック Town Hall Clinic |
|---|---|
| 住所 | Level 4, 50 York St, Sydney NSW 2000 |
| 診療時間 | 月〜金 9:00〜18:00 ※変更される場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。 |
| 対応診療科 | 一般内科、皮膚科、婦人科、小児科、予防接種、健康診断など |
| ポイント | 25年以上の実績。日本人通訳が常勤。海外旅行保険のキャッシュレス対応。タウンホール駅・ウィンヤード駅から徒歩5分。 |
| 公式サイト | https://www.townhallclinic.com.au/ |
シドニーで最も知名度が高い日本語対応クリニックの一つです。
糖尿病の定期管理(血液検査のオーダー、処方箋発行)にも対応しており、日本人通訳が常勤しているため薬の説明も日本語で受けられます。
メルボルン|パラマウントクリニック(Paramount Medical Clinic)
| クリニック名 | パラマウントクリニック Paramount Medical Clinic |
|---|---|
| 住所 | Upper Level Suite 4-5, The Paramount Center, 108 Bourke Street, Melbourne VIC 3000 |
| 診療時間 | 月〜金 9:00〜18:00(土日祝は要確認) ※変更される場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。 |
| 対応診療科 | 一般内科、皮膚科、婦人科、小児科、心療内科、予防接種、健康診断 |
| ポイント | 日本語フリーダイヤルあり(1800 677 177)。処方薬に日本語の服用説明が付く。学生・ワーホリ割引あり。 |
| 公式サイト | https://paramountclinic.com.au/ |
メルボルン中心部に位置する日本語フリーダイヤルで予約できるクリニックです。
処方薬に日本語の説明を添付してくれるサービスがあり、糖尿病薬の飲み方を正確に把握したい方に便利です。
ゴールドコースト|日本語医療センター(Japanese Medical Service)
| クリニック名 | 日本語医療センター ゴールドコースト Japanese Medical Service Gold Coast |
|---|---|
| 住所 | Australia Fair Shopping Centre, Southport QLD 4215 |
| 診療時間 | 月〜金 8:30〜17:00(土日祝は要確認) ※変更される場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。 |
| 対応診療科 | 一般内科、皮膚科、婦人科、小児科、予防接種、健康診断 |
| ポイント | 1997年開業の老舗。日本人スタッフ常勤。海外旅行保険キャッシュレス対応。10km圏内は無料送迎あり。 |
| 公式サイト | https://www.nihongoiryo.com.au/ |
ゴールドコーストで20年以上の歴史を持つ日本語対応クリニックです。
ショッピングセンター内にあるためアクセスが良く、慢性疾患の定期管理にも対応しています。
まとめ|オーストラリアで糖尿病治療を続ける5つの判断ポイント
最後に、オーストラリアで糖尿病の治療を継続するための判断ポイントを整理します。
① 渡豪前に英語の診断書と薬リストを準備する
薬の一般名、用量、HbA1cの値を英語で記載した書類を持参しましょう。GPに見せればスムーズに処方が受けられます。
② まずGPを見つけ、定期管理を受ける
糖尿病の処方・血液検査のオーダーはGPが行います。日本語対応クリニックを利用すれば、言葉の不安なく相談できます。
③ PBS・NDSSの制度を活用して費用を抑える
Medicare保有者はPBSで薬代が1処方AUD 25以下に。NDSSに登録すれば血糖測定用品も補助価格で入手できます。
④ 日本独自の薬は豪州にないケースがある
スーグラやテネリアなど豪州未承認の薬は入手できません。同じクラスの代替薬をGPに相談するか、日本の薬を海外配送で継続する方法があります。
⑤ 薬が切れそうなときは早めに行動する
