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2026/03/17

オーストラリアで正露丸は買えない|持ち込みルールと現地の代替薬を解説

オーストラリアで正露丸は買えない|持ち込みルールと現地の代替薬を解説

「正露丸をオーストラリアで買いたい」──旅行や留学、駐在でオーストラリアに滞在する日本人がまず直面する問題の一つが、日本の常備薬が現地で手に入らないことです。

結論から言うと、正露丸はオーストラリアでは販売されていません。正露丸の主成分である「木クレオソート」を含む市販薬は、豪州の医薬品登録制度(ARTG)に登録されておらず、薬局でもスーパーでも購入することはできません。

ただし、日本から持ち込むことは可能ですし、オーストラリアには同様の効果が期待できる代替薬があります。

この記事では、正露丸のオーストラリアへの持ち込みルール、現地で買える代替の下痢止め薬、そしてお腹を壊したときの対処法までを詳しく解説します。

正露丸はオーストラリアで販売されていない

まず重要な事実として、正露丸はオーストラリアの薬局やスーパーでは一切販売されていません。セイロガン糖衣Aも同様です。

正露丸の主成分「木クレオソート」とは

正露丸の主成分は木クレオソート(Wood Creosote)です。ブナやマツなどの木材を乾留して得られる天然由来の成分で、日本薬局方に1886年の初版から収載されている歴史のある医薬品成分です。

木クレオソートには、腸のぜん動運動を正常化し、腸管内の水分量を調節する作用があることが研究で明らかになっています。かつては「殺菌作用で下痢を止める」と考えられていましたが、最新の研究では、服用後に胃から吸収されるため腸内の菌を殺すわけではなく、腸の運動と水分バランスを整えることで下痢を改善するメカニズムが示されています。

なお、「クレオソート」という名前が工業用の石炭クレオソート(防腐剤として枕木等に使用される)と混同されることがありますが、正露丸に使用されている木クレオソートと石炭クレオソートはまったく別の物質です。

なぜオーストラリアで買えないのか──TGA(豪州医薬品行政局)の仕組み

オーストラリアで医薬品を販売するには、TGA(Therapeutic Goods Administration=薬品・医薬品行政局)が管理するARTG(Australian Register of Therapeutic Goods)に登録される必要があります。

正露丸(木クレオソートを主成分とする製品)はARTGに登録されていないため、オーストラリア国内では販売が認められていません。これは正露丸が「危険だから」ではなく、日本の製造元がオーストラリアでの販売許可を申請していないことが主な理由です。

日本独自の薬がオーストラリアで買えないケースは他にもあり、葛根湯や太田胃散なども同様にARTG未登録で現地購入はできません。

正露丸をオーストラリアに持ち込むことはできる?

結論としては、正露丸は個人使用の目的であればオーストラリアに持ち込むことができます。

旅行者向け例外措置(Traveller’s Exemption)の基本ルール

オーストラリアにはTraveller’s Exemption(旅行者向け例外措置)があり、以下の条件を満たせば、医薬品の持ち込みが認められています。

自分自身、または同伴する直近の家族の使用目的であること
元のパッケージのまま持参すること(箱や説明書を剥がさない)
3ヶ月分以内の量であること
入国時に申告すること

正露丸は市販の胃腸薬であり、規制対象成分(テストステロン、中絶薬、大麻成分など)は含まれていないため、事前の許可申請は不要です。

3ヶ月分まで持ち込みOK──入国時の申告方法

正露丸を持ち込む際は、以下の手順で申告します。

①入国カードへの記入
オーストラリアの入国カード(Incoming Passenger Card)に、持ち込み品に関する質問があります。医薬品を持っている場合は「Medicines(医薬品)」の項目に「Yes」にチェックを入れます。

②税関での申告
Australian Border Force(ABF)の職員から聞かれた場合は、「This is Seirogan, a Japanese over-the-counter stomach medicine. The active ingredient is wood creosote.」(これは正露丸という日本の市販胃腸薬で、有効成分は木クレオソートです)と伝えれば問題ありません。

③パッケージを保持
箱や説明書はそのまま保持してください。成分が確認できない状態で持ち込むと、確認に時間がかかったり、最悪の場合没収される可能性があります。

3ヶ月分を超える場合はTGAへの許可申請が必要

長期留学や駐在で3ヶ月分を超える量の正露丸を持ち込みたい場合は、オーストラリアで登録された医師を通じてTGA(Therapeutic Goods Administration)に特例の許可申請(Special Access Scheme)を行う必要があります。

ただし、正露丸は処方薬ではなく市販薬であるため、許可が下りにくいのが実情です。現実的な対策としては、以下のいずれかが有効です。

渡航前に3ヶ月分を持参し、必要なら日本の家族に追加分を送ってもらう
現地で代替薬(後述のGastro-StopやIMODIUMなど)を使用する
御用聞きドクターのようなサービスで、日本の医師に胃腸薬を相談する

オーストラリアで買える正露丸の代わりの薬

正露丸が手に入らなくても、オーストラリアの薬局には下痢止めや整腸の市販薬が豊富に揃っています。

Gastro-Stop(ガストロストップ)──豪州で最も売れている下痢止め

Gastro-Stopは、オーストラリアで売上No.1の下痢止め薬です。

有効成分:Loperamide(ロペラミド)2mg
効果:腸の動きを遅くし、水分と電解質の吸収時間を確保して下痢を改善
分類:Schedule 2(薬局で処方箋なしで購入可能)
形態:カプセル(12個入り / 20個入り)、チュアブル錠(Gastro-Stop Plus)
価格帯:約AUD 8〜14(12カプセル入り)
購入場所:Chemist Warehouse、Priceline Pharmacy、Coles、Woolworthsなど

Gastro-Stop Plusには、ロペラミドに加えてシメチコン(Simethicone)が配合されており、下痢に伴う腹部膨満感やガスによるお腹の張りにも対応します。

注意:12歳未満の子どもには使用できません。また、48時間以上症状が続く場合は服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

IMODIUM(イモディウム)──世界的定番のロペラミド製剤

IMODIUMは世界100ヶ国以上で販売されている下痢止め薬で、Gastro-Stopと同じくロペラミド(Loperamide)が有効成分です。

有効成分:Loperamide 2mg
分類:Schedule 2(処方箋なしで薬局購入可能)
形態:カプセル、液体
価格帯:約AUD 10〜18
購入場所:薬局各店

日本では「ロペミン」という処方薬として知られるロペラミドですが、オーストラリアでは市販薬(OTC)として薬局で購入できます。旅行者下痢症(Travellers’ Diarrhoea)にも対応しているため、旅行中の携帯にもおすすめです。

Buscopan(ブスコパン)──腹痛・腹部けいれんに

下痢そのものよりも腹痛やお腹のけいれんがつらい場合は、Buscopanが有効です。

有効成分:Hyoscine Butylbromide(ヒヨスチンブチルブロミド)10mg
効果:胃腸の筋肉のけいれんを緩和し、腹痛を軽減。鎮痛剤とは異なり、原因(筋肉のけいれん)に直接作用する
分類:Schedule 2(10mg錠)/ Schedule 4(処方箋が必要な高用量タイプ)
価格帯:約AUD 8〜12(20錠入り)
購入場所:薬局各店

正露丸が「下痢止め+腹痛緩和」の両方をカバーしていた方は、Gastro-Stop(下痢止め)+ Buscopan(腹痛)の2つを組み合わせることで、正露丸に近い効果が期待できます。

Hydralyte(ハイドラライト)──脱水対策の定番

下痢による最大のリスクは脱水です。オーストラリアではHydralyteが経口補水液のNo.1ブランドです。

成分:ナトリウム、カリウム、ブドウ糖をWHO基準で配合
形態:発泡タブレット(20錠入り / 40錠入り)、パウダーサシェ、液体(1L)、アイスキャンディ
価格帯:約AUD 8〜16(タブレット20錠)
購入場所:Chemist Warehouse、Priceline Pharmacy、Coles、Woolworths

日本のOS-1(経口補水液)に相当する製品です。下痢や嘔吐のときはもちろん、暑い日の脱水予防にも使えるので、オーストラリア生活の常備品として備えておくと安心です。

薬局ブランドの下痢止め──コスパ重視の選択肢

Chemist WarehouseやPriceline Pharmacyでは、薬局のプライベートブランド(PB)の下痢止めも販売されています。

例えばPharmacy Action Diarrhoea Relief(ロペラミド2mg)は、Gastro-StopやIMODIUMと同じ有効成分でAUD 4〜7程度と、ブランド品の半額以下で購入可能です。

有効成分が同じであれば効果も同等ですので、費用を抑えたい学生やワーホリの方にはPBの下痢止めも有力な選択肢です。

正露丸と豪州の代替薬の違い|比較表

正露丸と、オーストラリアで購入できる代替薬の違いを表にまとめました。

クリニック名 タウンホールクリニック
Town Hall Clinic
住所 Level 4, 50 York St, Sydney NSW 2000
ポイント 25年以上の実績。日本人通訳が常勤。海外旅行保険のキャッシュレス対応。タウンホール駅から徒歩5分。
公式サイト https://www.townhallclinic.com.au/

 

メルボルン|パラマウントクリニック(Paramount Medical Clinic)

クリニック情報
クリニック名 パラマウントクリニック
Paramount Medical Clinic
住所 Upper Level Suite 4-5, The Paramount Center, 108 Bourke Street, Melbourne VIC 3000
ポイント 日本語フリーダイヤルあり(1800 677 177)。処方薬に日本語の説明付き。
公式サイト https://paramountclinic.com.au/

ゴールドコースト|日本語医療センター(Japanese Medical Service)

クリニック情報
クリニック名 日本語医療センター ゴールドコースト
Japanese Medical Service Gold Coast
住所 Australia Fair Shopping Centre, Southport QLD 4215
ポイント 1997年開業の老舗。日本人スタッフ常勤。海外旅行保険キャッシュレス対応。10km圏内は無料送迎あり。
公式サイト https://www.nihongoiryo.com.au/

まとめ|正露丸をオーストラリアで使うための3つのポイント

最後に、正露丸とオーストラリアでの胃腸管理について3つのポイントを整理します。

① 渡航前に正露丸を3ヶ月分まで持参する
正露丸はオーストラリアでは販売されていませんが、個人使用目的で3ヶ月分まで持ち込み可能です。元のパッケージのまま持参し、入国カードで申告してください。

② 現地ではGastro-StopやIMODIUMで代替する
オーストラリアで下痢止めが必要になった場合は、薬局でGastro-Stop(豪州売上No.1)やIMODIUMを購入しましょう。腹痛にはBuscopanも有効です。脱水対策にはHydralyteを常備しておくと安心です。

③ 症状が長引くときは我慢せず受診する
48時間以上続く下痢、血便、高熱がある場合は市販薬での対処を中止し、GPを受診してください。日本語対応クリニックなら言葉の不安なく相談できます。薬の相談であれば御用聞きドクターも利用できます。